医学部向けのコースを設けている大手予備校と、医学部受験に特化した予備校は、どちらを選んだ方がいいのか。これは医学部合格を目指す多くの受験生が最初に悩む問題かもしれません。
一般的には、集団授業を行う大手予備校は安く、1人ひとりの学力に合わせて丁寧に指導する医学部予備校の方が高額です。
ただ、受験生の目標は何よりも医学部に合格して医師になること。その目標達成のためには学費だけを見て決めるのではなく、予備校ごとの学習環境やサポート体制を知り、「ここで勉強すれば合格できるはず」と確信をもって勉強に取り組むことが大切です。
大手予備校と医学部予備校の特徴、その学費の差から、あなたに最適な予備校を探してください。
大手予備校の医系コースの学費は、約100万円。
駿台や河合塾といった大手予備校の医学部受験コースの学費は、およそ100万円です。
例えば、駿台の医系最上位「スーパー国公立大医系(特別指導150h)コース」は、入学金一律7万円+授業料99万7000円、計106万7000円。「スーパー私立大医系(特別指導180分)コース」は計111万4000円です。
河合塾の場合は、医系最上位「ハイパー国公立大医進コース」が入学金一律10万円+授業料62万5000円、計72万5000円。「ハイレベル私立大医進アドバンス個別指導つきコース」が計340万円です。
これらの大手予備校に通うメリットは、切磋琢磨できる受験生が大勢いること。周りの頑張る姿を見て勉強へのモチベーションを維持しやすく、集団授業がベースのため「いま勉強している部分」の話もできます。 学費も医学部予備校に比べれば格段に安いため、「浪人したらまずは近所の大手予備校へ行く」という生徒が大勢いるのも納得できる話です。
医学部予備校の学費は、4倍分の価値がある。
一方、医学部予備校の学費はかなりバラツキがあり、大体300~500万円程度。平均400万円というのが相場です。大手予備校と比較すると「4倍もするの?」と驚くでしょうが、学費が高額な分、講義から日々の生活まで、さまざまな面で生徒1人ひとりに寄り添ったサポートをしています。
勉強面では2~8名の少人数クラスの授業と個別指導の併用や、個別指導のみ、という予備校が多く、各々の学力レベルや習熟度に合わせて授業を進めてくれるので得意科目を伸ばしやすく、弱点も克服しやすいのが特徴です。 「弱点があっては合格できない」と言われる医学部受験において、科目ごとの学力に合わせて勉強できるメリットはとても大きく、医学部予備校には「集団授業では合格できない」という理由で毎年一定数の生徒が大手予備校から“転校”しています。 また、生活面でも『東京メディカル学院』のようにタイムカードによる生活管理や願書の申し込み代行、写真撮影会を開催してくれる予備校もあり、こうした手厚さに魅力を感じて入学する生徒もいるほどです。
志望校についても面談や校内模試の結果から合格しやすい大学を判定・相談してくれますし、学費と指導・サポート体制は比例していると考えられます。 医学部に入れる確率を天秤にかければ、高い学費を払う価値は十分にあると言えるのではないでしょうか。
東京メディカル学院は、企業努力により破格の安さを実現。
学費は高いが、払う価値はある医学部予備校。しかし、中には限りなく学費を安く抑えている予備校もあります。
前述の東京メディカル学院も、その1つ。同校の医学部進学コースは、入学金と授業料、設備維持費をすべて足しても計194万4000円です。 無駄な広告費を抑え、集客は試験場で予想問題を配布。「すべてを生徒に還元する」という方針は多くの受験生に受け入れられ、いまや口コミだけで定員人数に達するほどです。東京・名古屋の2校しかなく、定員制のため生徒数は少ないですが、いまや人気の医学部予備校に名を連ねています。
今年の夏に同校へ入学したある生徒は、会社を辞めて獣医学部への再受験を希望していました。そして、大手から医系まで20校もの予備校をまわった結果、「この予備校なら合格できる」と確信して同校への入学を決めたそうです。 まわった予備校の中には面談した担当者が獣医学部のことをまったく知らないこともあったようで、会社を辞めて再受験する人にとっては退路を断った挑戦にもかかわらず、最初に話した予備校担当者が希望学部の受験について無知であればがっかりするに違いありません。
医学部予備校はその名の通り、医系の大学・学部だけに特化した予備校です。講師だけではなく、そこで働く職員まで含めて「この道のプロ」が揃っているからこそ、生徒にとっては安心して勉強に打ち込める環境ができ上がっているのです。 特に高卒生にとって、予備校は毎日通う場所。だからこそ、医学部合格を目指すなら学費だけではなく、「自分に合うか」を重視して選ぶことが最も大切なのではないでしょうか。