歯学は、歯と口全体の健康を守るため、治療や矯正、加工にかかわる医学と医術を学ぶ学問です。
多くの歯学部・歯学科は、医学部と同様に6年制で、歯科医師国家試験に合格すると歯科医師になることができます。
近年は、歯のホワイトニングや歯列矯正、インプラントなど、口腔(こうくう、こうこう=口と喉の間の部分)医療の多様化から、大学でも口腔保健学科のほか、歯科衛生士や歯科技工士を養成する4年制の学科を新設する歯学部もあります。
歯学部ではどんなことを学ぶの?
歯科医師を養成する6年制は、多くの大学が医学部医学科と似たカリキュラム構成となっています。1~2年次は一般教養科目を中心とし、歯科入門科目を学んでいきます。
2~4年次には、遺体解剖や全身病理学を含む基礎医学を修得するほか、口腔生理学、口腔解剖学、口腔病理学、口腔細菌学などの臨床歯学の基礎を学び、実習も年次を追うごとに増えていきます。
5年次には医学部と同様の共用試験が行われ、これに合格しないと本格的な臨床実習を受けることはできません。6年次は、診断をはじめ歯石除去、抜歯、入れ歯の製作・調整など豊富な臨床実習を通して高度な技能を修得し、在学中に国家試験を受験します。
歯の健康は幸せな長寿と密接にかかわり、超高齢社会が進む中で歯科の役割は高まっています。また、未来を担う子どもたちの歯の予防も欠かせません。歯学教育では、こうした課題に応える知識と関連技術をカリキュラムに盛り込み、対応能力を養っていきます。
歯学部卒業後の進路は?
多くの卒業生は臨床研修後、病院歯科や歯科医院に勤務します。臨床実績と経営ノウハウを身につけてから、歯科、審美歯科の独立・開業を目指す人もいます。
このほか、大学の教育や研究に携わったり、関係省庁・保健所の職員と医療関連企業の研究開発部門で専門スタッフとして活躍する道もあります。