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近年の医学部受験動向と、理想的な医学部受験準備 ― 成功するための状況判断 ―

1. 難化する私大医学部

御存知の通り、医学部受験を巡る環境はこの20年間ですっかり様変わりました。難化したのはもちろんなのですが、もっというと、私大医学部と国公立大学医学部の差が確実に縮まりました。一部では逆転現象が起こっているほどです。私大医学部がいかに難化しているか、改めて偏差値を見てみましょう。
(以下は河合塾発表の偏差値に準拠します)

表1 国公立大学医学部前期試験のボーダー偏差値(2018)

72.5 東京・京都
70.0 東京医科歯科・大阪・奈良県立医科
67.5 弘前・東北・千葉・横浜市立・金沢・名古屋・名古屋市立・三重・京都府立・大阪市立・神戸・広島・九州・長崎・大分・宮崎
65.0 旭川医科・札幌医科・北海道・秋田・山形・福島県立医科・筑波・群馬・新潟・信州・富山・浜松医科・滋賀医科・和歌山県立医科・鳥取・島根・岡山・山口・香川・愛媛・高知・佐賀・鹿児島・琉球
62.5 徳島・熊本

表2 私立大学医学部一般入試のボーダー偏差値(2018)

72.5 慶應義塾
70.0 順天堂、東京慈恵会医科、日本医科、久留米医科
67.5 自治医科、昭和、東京医科、東邦、金沢医科、大阪医科、関西医科、近畿、久留米(一般)、産業医科
65.0 岩手医科、国際医療福祉、帝京、東京女子医科、日本、杏林、聖マリアンナ、東海、金沢医科、愛知医科、藤田医科、兵庫医科、福岡
62.5 独協医科、埼玉医科、北里、川崎医科

もう一つご紹介したいデータがあります。それは、私大医学部の過去の偏差値と現在の偏差値です。

表3 私大医学部の偏差値比較(1990・2018)

大学名 偏差値(1990) 偏差値(2018)
岩手医科大学 52.5 65
獨協医科大学 55 62.5
埼玉医科大学 50 62.5
慶應義塾大学 70 72.5
順天堂大学 55 70
昭和大学 55 67.5
帝京大学 52.5 65
東京医科大学 60 67.5
東京慈恵医科大学 60 70
東京女子医科大学 52.5 65
東邦大学 57.5 67.5
日本大学 60 65
日本医科大学 60 70
北里大学 52.5 62.5
杏林大学 52.5 65
聖マリアンナ医科大学 47.5 65
東海大学 55 65
金沢医科大学 45 65
愛知医科大学 50 65
藤田医科大学 47.5 65
大阪医科大学 60 67.5
関西医科大学 57.5 67.5
近畿大学 52.5 67.5
兵庫医科大学 55 65
川崎医科大学 50 62.5
久留米大学 52.5 70
福岡大学 52.5 65

ちなみに現在の京都大学工学部のボーダー偏差値は65.0です(工業化学のみ62.5)。現在の私大医学部がいかに難化しているか、その一端がご理解いただければと思います。

2. 医学部受験準備で私大と国公立をわける意味はない

ここまで、私大医学部と国公立大学医学部の偏差値に違いがほとんどなくなってきているということを紹介してきました。

「いや、そんなことを言ってもそれは偏差値の上でのこと。実際の入試問題の内容はぜんぜん違うんじゃないのか」

と思われる方もいるでしょう。このお考えは正しい面があります。一つには、

「医学部受験にはセンター試験が必須ではない。つまり国語や社会をする必要がない」

ということがあります。しかし、皆様が、

「私大医学部の入試のほうが、国公立大学医学部二次試験よりも簡単だと考えていらっしゃるなら、それは間違っている場合が多い」

と申し上げておきます。確かにこの世には、いくら訓練しても記述ができず、私大の問題のほうが合っているという方もいらっしゃることでしょう。しかし単純に問題の難易度を比較するなら、私大医学部よりも素直な問題を出す国公立大学医学部は、かなり多く存在するのです。端的に言って、

「問題がやさしいことで有名な川崎医科大学や金沢医科大学などよりも(!)、優しい問題を出す国公立大学医学部がかなりある」

わけです。私自身も長年医学部受験を指導しておりますが、今の私大医学部の難易度を目の当たりにして、なお私大医学部専願で受験させることには大いに疑問に思うシーンが多々あります。私大医学部専願のメリットと言えば、

「面倒な社会科や現代文、古文漢文をしなくてよい」

ということに尽きるのです。逆を言うと、文系科目が得意な人が私大医学部受験専願をするメリットはかなりうすいのです。自らの長所をわざわざ犠牲にして、目的を達成しにくくしているも同然です。

3. 国公立医・私大医の両方を視野に入れるメリット

私大医専願のメリットは、「センター試験を受けなくてよい」ということに尽きます。
デメリットは以下のとおりです。

  • 受験準備が厳しい
  • 募集人数が少なく、小さなパイの争奪戦になる
  • 受験準備の費用も入学後の費用も高額になる

国公立医・私立医双方を視野にいれることのメリットは以下のとおりです。

  • 対象となる学校が増えるので、募集人数も増えることになる
  • センター試験を活用できるので、国公立だけでなく私大医学部合格の可能性も上昇する
  • 私大医学部だけでなく、国公立大学医学部も受験できるので、受験機会が増える(ただしセンター試験で高得点を取る必要あり)
  • 国公立大学医学部の学費は他学部と同じ

「センター試験で高得点を取る必要がある」と見るとちょっとひるんでしまうでしょうか。しかしながら、少なくとも英語・数学・理科でセンター試験高得点を取れないような方は、私大医学部一般入試は通りません。逆を言えば、

「私大医学部一般入試に通るだけの学力がある方は、センター試験でも十分高得点を取れる」

ということです。あとは国語と社会だけです。これさえクリアすれば、合格のチャンスは大いに広がるのです。さらに、センター試験を利用できる私大医学部は多数あります。たった一度の入試で複数の私大医学部に合格できるチャンスが手に入ることになり、大いに魅力的です。国語や社会の手間が理数にかかる努力料と比べて極めて少ないことを考えると、一考の余地は大いにあります。まして、文系科目が得意な方の場合であればなおさらです。

4. 私大医学部と国公立大学医学部の募集人数

私大医学部と国公立大学医学部の両方をにらんだ受験準備がいかにメリットに満ちているか、皆様にはご理解できたかと思います。しかし、もしも私大医学部の定員が多く、国公立医学部の定員が少なければ、メリットもかすんでしまいます。そこで以下の表を御覧いただきたいと思います。

表4 医学部定員データ

  定員(2018) 一般入試募集人数(2019)
私大医学部 3,652 約2,743
国公立大学医学部 5,767 4,159
9,419 6,902

ちなみに今年の定員は9,420名です。埼玉医科大学の定員1名増がそのまま反映されています。ご覧の通り、私大医学部の定員に対して、国公立大学の定員は1,5倍にもなります。つまり、

「私大医学部・国公立大学医学部両方を受験できれば、合格のチャンスは2.5倍に広がる」

ということになるわけです。私大医学部専願にこだわることが、いかに自分の将来の選択肢を狭くしているか、ここからもおわかりいただけるかと思います。

5. もう私大医学部専願は古い

昔は私大医学部専願にするメリットがありました。問題がとにかくやさしかったし、学費さえ用意できればなんとでもなる面がありました。今は全く違います。現在私大医学部には優秀な受験生が大挙して押し寄せており、問題はどんどん難しくなっています。学費は低下し、以前なら私大医学部など入りたくても入れなかった方々でも工夫次第で入学できるようになっています。

もはや私大医学部は国公立医学部と比較できてしまうほどの難関になってしまったのです。もう皆さんお気づきのように、ただでさえ厳しい状況で私大医学部専願にこだわるのは、自ら選択肢を狭くする愚かな行為ではないでしょうか。私大医専願と国公立医・私大医併願のメリット・デメリットをまとめ直してみました。

表5 私大医・国公立医併願と私大医専願の長所・短所

  私大医・国公立医併願 私大医専願
メリット
  • 募集人数が拡大するため、合格可能性が上がる
  • センター試験を活用した受験の機会が拡大する
  • 国公立合格の場合、学費が格段に節約できる
  • 国語・社会科をしなくてよい
デメリット
  • 国語・社会科をする必要がある
  • 募集人数が少ないため、競争が激しい
  • センター試験を活用した受験の機会を逃す
  • 学費が高い
備考
  • 文系教科が得意な人には追い風となる
  • 文系教科が弱い場合には私大医専願にも魅力がある

表6 私大医・国公立医併願と私大医専願の項目別比較

項目 私大医・国公立医併願 私大医専願
募集人数 私大医専願の場合の2.5倍 併願時の40%
センター試験利用入試 利用できる 利用できない
学費 国公立医:400万円弱 私大医:2000~4000万円
偏差値 62.5-72.5 62.5-72.5
国語・社会 必要 不要

6. これからの医学部受験予備校の取り組み

時代は明らかに私大医専願から私大医―国公立医併願の方向へ動いています。これは昨今の私大医学部の学費低下と優秀な受験生の殺到によって明らかです。ここでもとめられる予備校の姿は、以下のようなものになるでしょう。

  • 私大医学部だけでなく国公立大学医学部受験にもつよい
  • 従来の少人数制による丁寧な指導を維持
  • 医学部受験を目指す優秀な受験生の支援

医学部予備校V-SYSTEMは以上のような課題を達成するために、以下のような仕組みをとっています。

項目 詳細
私大医・国公立医受験指導の強化
  • 国公立大学医学部医学科に14名、私立大学医学部医学科に12名が実際に進学しています(希望者37名中。進学率70%以上)。重複ありません。
少人数制指導による各科目指導
  • 各クラス15名以下です。
  • 低コストにより、必要な部分への集中的フォローを支援します(年間125万円(夏期・冬期・直前期込))。
個別指導による丁寧なフォロー
  • 少人数制指導と組み合わせ、着実な学力形成を支援します。
カリキュラムのコンパクト化
  • 少人数制指導で必要な知識を伝達し、個別指導や日々の訓練を通じて学習内容の定着支援を行います。
学習方法の教育
  • 大量に暗記物をこなす方法、英語長文を確実に読む方法など、学んだことを効率的に定着させる自習技術を教育します。
綿密なコミュニケーションにもとづいた個人ごとのオリジナル学習プランの作成・運用
  • 塾生ひとりひとりと普段から面談を実施する一方、担当講師陣と連携して、最適な学習プランを立案・実施します。さらに経過を観察して学習プランを更新し、受験成功のために継続的にサポートしていきます。

受験生はみな医学部合格を目指しているのですから、習得するべき内容は当然同じです。しかし、一人ひとり別人ですから、苦手なところは全員違います。

そこで、少人数制でスタンダードな学習内容を教えるとともに、個別指導を通じて学習内容の定着を図り、さらに日常的にコミュニケーションを取ることで早期に問題を発見し、安全確実に受験を成功させるよう取り組んでいます。

医学部受験は確かに難関です。だからこそ的確な状況判断が求められますし、状況に応じた適切な対応を取る必要があります。受験生の皆さんが、十分に可能性を開けるよう、精一杯応援します。

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医学部予備校V-SYSTEM

一人ひとりの目標に合わせた最適なプランで、国公立大学医学部の最難関大学の受験指導を行います。

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    学部

    • 医学部
    • 歯学部
    • 薬学部
    • 獣医学部

    コース

    • 【個別指導】スタンダードコース
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    • 中学部
    • 高校部
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